フリーランスの老後は?会社員との年金の違いについて解説

フリーランスの生き方

フリーランスが、自身の経営とともに向き合わなければならないのが「年金」です。

会社員の場合は給料から天引きされるため、あまり注目されることのない年金ですが、フリーランスは引退後の生活に影響する重要な制度です。
この記事ではフリーランスが知っておくべき年金の基礎知識から、賢い積み立て方までをわかりやすく解説していきます。

独立後は会社員との違いに戸惑いを感じてしまいがちですが、なるべく早い段階で年金の積み立て方を決めておくことで、引退後の生活にゆとりを生み出せます。

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フリーランスと会社員の年金制度はココが違う!

まずは基礎知識として、フリーランスと会社員の年金制度の違いから解説していきます。フリーランスと会社員の年金制度の違いは次の3つです。

フリーランスと会社員の年金制度の違いを理解し、それぞれのメリットとデメリットを整理していきましょう。

会社員は厚生年金にも加入している

日本の年金制度はよく「2階建ての建物」にたとえられ、国民年金を土台として厚生年金を積み上げていく形態が採用されています。

国民年金は20〜60歳のすべての日本国民に加入義務があるため、会社員でなくても加入しなければなりません。

一方、建物の2階部分に当たる厚生年金は、会社員のみが加入対象と決められています。フリーランスよりも月々の金額が大きるデメリットをがありますが、「厚生年金の半額を会社が負担する」、「定年後の受給額が大きくなる」などのメリットがあります。

ちなみに厚生労働省が公開している「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によって、国民年金のみ平均月額支給額が55,000円、そして厚生年金のみの平均月収支給額が147,000円であることがわかっています。

平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況から、引退後のおおまかな生涯設計をたてることも可能です。

フリーランスは年金の金額をコントロールできる

フリーランスと会社員の年金制度には、支払う金額をコントロールできるかどうかにも違いがあります。

会社員であれば国民年金と厚生年金の金額が自動的に天引きされますが、フリーランスは月額16,410円の部分のみを国民年金として支払います。

もちろん、引退後に支払われる金額が小さくなるというデメリットがありますが、フリーランスの老後をサポートする制度も用意されています。

経営状態と将来の生活を比較しながら、年金として蓄える金額を調整できるのがフリーランスのメリットです。

フリーランスは年金を控除に応用できる

フリーランスにとっては、将来の蓄えとして用意している年金を所得から控除できることも大きなメリットです。

会社員とは違い、フリーランスは年間の納税額を確定申告で決める必要があります。

年末調整が自動的におこなわれないという手間もありますが、所得から年金を差し引くことができ、節税に活用できるのはフリーランスの特権と言えます。

フリーランスに必要な年金の手続きとは

独立しフリーランスになる場合には、国民年金にを切り替える手続きが必要です。

ただし、退職から14日以内という期限があるものの、以下の必要書類をそろえ、最寄りの市区町村役場の国民年金窓口に提出するという簡単な手続きで年金を切り替えられます。
  1. 退職を証明できる書類(離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書など)
  2. 身分証明書(運転免許証やパスポート)
  3. 年金手帳
  4. 印鑑
また、厚生年金については会社で自動的に脱退の手続きが進められるため、フリーランスになった次の月からは支払う必要がなくなります。

フリーランスなら年金に積み立てておきたい3つの制度

ここからはフリーランスが国民年金にプラスして積み立てておきたい、3つの制度を紹介していきます。

フリーランスには厚生年金に加入する義務がない分、計画的に将来に必要な蓄えを準備しなければなりません。
会社員の厚生年金の代わりに活用できる制度が用意されているため、うまく活用することをおすすめします。

確定拠出年金(個人型)

金融機関に信頼できるパートナーがいる方におすすめの制度が、「確定拠出年金(個人型)」です。

確定拠出年金(個人型)はiDeCo(イデコ)とも呼ばれ、積み立てたお金を金融商品に置き換え、年金として60歳以降に受け取れる制度です。

60歳以降に受け取るため年金と位置づけられていますが、投資と同じ仕組みで運用されます。

確定拠出年金(個人型)のメリットは、自分の知識で運用する金融商品を選べる点にあります。

元本が保証されている商品を選択して必要最低限の年金を確保しながら、投資信託で利益を大きくするといった選択も可能です。
途中解約も可能ですが、厳しい条件が設けられているため、あらかじめ金融機関に相談しておきましょう。

国民年金基金制度

フリーランスとして独立したあとも、決まった年金額を受け取りたいと考えている方におすすめなのが「国民年金基金制度」です。

国民年金基金には2つのプランが用意されており、毎月の積み立てに回す金額や受け取れる年金額を自分で決められる制度です。

また、積み立てる金額を変更できるため、独立直後の不安定な時期から確実に蓄えを作る始められるというメリットもあります。

ただし、「途中解約は認められない」ため、加入前にじっくりと検討する必要があります。

小規模企業共済

「小規模企業共済」は数ある年金制度のなかでも、フリーランスにとってのメリットが制度です。

小規模企業共済は事業を廃止した場合などに解約することができ、掛け金に応じた金額を共済金として受け取れます。

積み立てているお金を担保として、融資調達に活用できることもメリットの1つですが、「掛金納付月数が20年を下回ると元本割れになる」というデメリットもあります。
目先の安心を確保するために多めの金額を積み立てるか、20年間かけて元本を回収するかの判断が頭を悩ませるポイントです。

フリーランスも使える年金の免除がある?

お金の流れが不安定になりがちなフリーランスには、年金を免除する制度も用意されています。

義務とされている国民年金ですが、所得が一定の基準を下回っていることが明らか場合には年金を免除・猶予してくれます。
年金の免除にも手続きが必要になるため、事前の備えとして把握しておきましょう。

フリーランスが知っておきたい年金の免除制度

前年の所得が決められた水準以下になった場合には、義務とされている国民年金も免除できます。

複雑な計算式ではありますが、国民年金機構は以下の所得水準を下回った場合に免除または猶予することを許可しています。

  • 全額免除…(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
  • 3/4を免除…78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 半額を免除…118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 1/4を免除…158万円扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 納付猶予…(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

国民年金機構では生活が厳しくなった国民に向けて、免状や猶予などの援助する制度を設けています。

ただし、一時的な援助であり、免除された金額が得になるわけではありません。

免除された金額は将来の年金から差し引かれるため、ある程度のゆとりが必要な場合にはどこかで補填しなくてはなりません。

年金の免除を受けるために必要な手続き

国民年金の免除を希望する場合には必要書類を用意し、住民登録をしている市役所や区役所の国民年金窓口に届け出る必要があります。

必要な書類は以下のとおりです。
  • 年金の免除を希望する申請書
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 前年所得を証明する書類
申請書類は国民年金機構のホームページからダウンロードできるため、抜けや漏れがないかを事前にチェックしたうえで提出しましょう。

まとめ

フリーランスは自分の責任で経営をしなければなりませんが、年金についても自由にコントロールできます。

会社員であれば「厚生年金に加入し、厚生年金の半分を会社が支払う」と決められており、必要な手続きについても会社が進めてくれます。また、定年後に支払われる金額に大きな違いが生まれることもありません。

一方で、20〜60歳の全国民が支払わなければならない国民年金以外を、自分でカスタマイズできるのがフリーランスです。

「国民年金だけを積み立てる」「国民年金以外に国民年金基金制度を利用する」などのさまざまな選択肢が用意されています。

独立後は会社員との違いに戸惑いを感じてしまいがちですが、なるべく早い段階で年金の積み立て方を決めておくことで、引退後の生活にゆとりを生み出せるでしょう。

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