フリーランスに契約書は必要?契約方法やテンプレートについて紹介

フリーランスの生き方

フリーランスとして活動する際、クライアントと契約書を交わす必要はあるのでしょうか?法的に見れば、フリーランスとクライアントの間で契約書を交わすことは、必ずしも必要というわけではありません。実際、フリーランスとして活動しているけど、クライアントと契約書を交わしたことがない方もおられるのではないでしょうか?
しかし、契約書を作成していない場合、後々トラブルに発展する可能性もあります。今回はフリーランスにおける契約書の重要性と、記載すべき内容について、ご紹介します。



フリーランスに契約書は何故重要なのか?


フリーランスによくある例として、契約内容を口頭やメールなどで済ますケースがあります。確かに、口頭やメールの約束であっても双方の合意があれば、契約は成立します。これを諾成契約と言いますが、時には曖昧となる人間の記憶の基に成り立つ契約なので、証明が難しい場合もあります。
例えば、クライアントが提示したモックアップの基、デザインを作成したとします。初回は修正を求められるかもしれませんが、クライアントによっては、いつまで経ってもOKを出さない場合があります。他にも、成果物を全て納めたはずなのに、報酬が支払われないという事態もあり得ます。
このような時は、事前にどこから修正・追加料金が発生するのか、報酬発生の条件などを契約書に明記しておくと、トラブルを防ぐことができます。よって、口頭約束やメールでやり取りするよりも、書面で契約を結ぶことが大切となります。

フリーランスには2つの契約形態がある

フリーランスとして契約を結ぶ際、一般的に下記2つの契約形態があります。
委任契約・準委任契約
請負契約
契約書にも記載すべき重要なことなので、まずはそれぞれの違いをチェックしておきましょう。

(1)委任契約・準委任契約

委任契約・準委任契約とは、成果物を納品するのが最終的な業務ではなく、決められた作業工程を果たす契約形態です。
例えばエンジニアの場合、要件定義・設計・開発・テストなどを行い、報酬を得るような契約となります。つまり、対価として成果物の完成ではなく、決められた時間働いて労力を提供します。アルバイトのようなイメージですね。
ちなみに、法律に関わる業務を任されるのが委任契約、それ以外が準委任契約となります。フリーランスの場合は、準委任契約であることが多いです。

(2)請負契約

請負契約とは、成果物を納品することで報酬を得る契約形態です。
例えばデザイナーの場合、最終的に要求されたデザインの納品が完了すれば報酬を支払われるので、請負契約となります。明確な指定がなければ、作業工程に関しては責任が問われないのも特徴の契約形態です。

フリーランスが業務委託契約書を結ぶ際にチェックすべき項目

フリーランスに業務委託契約書が重要ということは先述の通りですが、どのような項目を記載、チェックすればよいのか、分からない方も多いのではないでしょうか?必ず記載すべき項目としては、下記の通りです。
契約書のタイトル
業務範囲・内容について
報酬金額について
契約形態について
契約期間・契約解除について
知的所有権・成果物の権利について
機密保持契約について
順番に詳細を見ていきましょう。

(1)契約書のタイトル

何に対して結ぶ契約書なのか、タイトルを記載するようにします。例えば、「業務委託契約書」などが挙げられます。場合によっては、「請負契約」または「委任契約」と記載することもあります。

(2)業務範囲・内容について

どのような業務を請け負うのか、記載する項目となりますが、ポイントとなるのはより具体的に書くことです。
例えば、エンジニアがプログラム作成を請け負う場合、プログラムを納品した段階で終了なのか、その後の細かな仕様変更も受けるのかなど、明記しておくと良いです。業務範囲・内容が明記されていなければ、納品した後も実際に業務で使用してみたらこのほうが良かったなど、永遠に変更を要求されることがあります。
エンジニアの場合、具体的に業務範囲を書くとすると、
仕様決定後の変更は、一切受け付けないものとする。
プログラム納品後は不具合を除き、修正は一切行わないものとする。
などの文言を記載しておくと、プログラム納品完了時点で業務を終了とすることができます。

(3)報酬金額について

フリーランスだけでなく、業務を請け負う上で当然重要な報酬金額を記載します。ただし、「納品が完了したら○○円」とだけ記載するのはNGです。
必ず記載すべきことは、下記項目です。
消費税別なのか、込なのか。
銀行振込の場合、手数料はどちらが負担するのか。
細かいことではありますが、積み重ねで決して無視できない金額となるので、記載するようにしましょう。
また、フリーランスの場合、事前に着手金をもらってから業務を行うケースも増えてきています。着手金の設定についても、報酬金額の項目で記載すると良いです。
その際は、途中で契約となった場合に着手金をどうするのか、明記しておくのがポイントです。クライアント側の都合で契約が終了となった場合、一般的に着手金は返金しなくても良いので、このような旨も併せて記載しておくと安心できるでしょう。

(4)契約形態について

フリーランスの契約形態としては、先述の通り「委任契約・準委任契約」または「請負契約」となります。どちらの形態で契約書を結ぶのか、明記しておくようにしましょう。

(5)契約期間・契約解除について

契約の開始と終了の期間を記載することは、非常に重要です。明記していなければ、意図していない期間まで業務を継続される場合があります。
また、契約の解除についても記載は必要です。契約解除例としては、下記のような場合が挙げられます。
双方の合意があれば、契約解除を可能とする。
契約違反があった場合は、契約を解除できるものとする。
いずれも、自分を守るために重要な記載となりますので、必ず押さえておきましょう。

(6)知的所有権・成果物の権利について

知的所有権・成果物の権利は作成した側に帰属しますが、基本的にはクライアント側に譲渡する形で記載しましょう。
さらに明記しておきたいのは、二次利用についてです。デザイナーやプログラマーなどのフリーランスが作成した成果物を二次配布して良いのか、販売した場合の利益は分配するのかなど記載しておけば、二次配布に関するトラブルを防ぐことができます。

(7)機密保持契約について

業務中知った企業秘密情報を第三者に知らせたり、他の業務で使用しないことを明記します。より詳細にするため、機密保持契約書を別途作成するケースも多いです。

フリーランスの業務委託契約書に必要な2つの事柄

フリーランスが業務委託契約書を結ぶ際、下記2つが必要となります。
押印
収入印紙
それぞれの詳細を見てみましょう。

押印

まず必要となるのが、押印です。契約書に押印する方法としては、下記2つが挙げられます。
署名捺印:自身の名前を署名し、印鑑を押す。
記名押印:あらかじめ自身の名前をプリンター等で印字しておき、印鑑だけ押す。
近年は記名押印が主流となっています。また、使用するハンコは基本的に役所に届け出している「登録印」、ない場合は「認印」となります。

収入印紙

もう1つ必要となるのが、収入印紙です。こちらは請負契約の場合のみとなるので、最終納品物が必要となるデザイナーやWebライターの方々が必要となります。契約書1部につき1枚必要となりますが、一般的に発行する契約書はフリーランス側とクライアント側で1部ずつ保管することが多いので、この場合は合計2枚収入印紙が必要です。

フリーランスのための業務委託契約書テンプレート

業務委託契約書の書き方は分かったけど、一から作成するとなると、なかなか簡単には作れないですよね。そのような方向けに、Web上にはフリーランス向けの業務委託契約書のテンプレートが配布されていることも多いです。
ここでは、フリーランスの方が今すぐに使用できる業務委託契約書テンプレートを無料配布している、おすすめのサイトを2つご紹介します。

bizocean(ビズオーシャン)

「bizocean」は契約書だけでなく、見積書や領収書など様々な書式テンプレートを無料配布しているビジネス情報サイトです。2020年5月現在、業務委託契約書も民法改正版として2020年4月27日が最終更新日となっているので、常に最新情報のもと契約書を作成することができます。
業務委託契約書のダウンロードリンク:https://www.bizocean.jp/doc/category/132/

また、秘密保持契約書のテンプレートも取り扱っているので、必要に応じて利用できます。
秘密保持契約書のダウンロードリンク:https://www.bizocean.jp/doc/category/131/

テンプレートの無料ダウンロード

「テンプレートの無料ダウンロード」はWordだけではなく、Excelの契約書も取り扱っています。表形式の契約書により、見た目もすっきりして分かりやすくなっています。
リンク:https://template.k-solution.info/17010708504/

フリーランスの業務委託契約書まとめ

作成するのが手間であるが故に、フリーランスの業務委託契約書は何かと避けられています。また、難しい用語も並んでいるため、フリーランスとして活動を始めたばかりの方にとっては調べる時間が惜しく、どうしても後回しになりがちです。
しかし、契約書を結んでいなければ、報酬が支払われないなどのトラブルに後々発展する可能性もあります。自分の身を守りつつ、安全にフリーランスとして活動を続けていくためにも、業務委託契約書を締結することをおすすめします。